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ロレーヌ・アルザスの旅(まとめ) [巡礼]

ストラスブールからドイツへ入る一行と分かれて、TGVでパリへ戻り帰国した。
ストラスブール駅は、第2次世界大戦で破壊されずにあったクラシックな駅舎の上から透明なシェルのカバーをかけてあった。市民の間でも賛否両論とか。

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主目的のお茶会は大盛会で何よりだった。


旅の間に思った事を、記してみる。


・町並み
訪れたナンシー、コルマール、ストラスブールはいずれも旧市街と呼ばれる城壁と門(運河と川)に囲まれた中世からの町並みが残り、それを守りながら暮らしてた。
自動車ができる前からの街路は、道幅が狭かったり、地形に合わせて曲がっていたりしている。
その通りに沿って、3階建て以上の建物が並び、アーチの入り口を入ると中庭が設けてある。
写真を撮ろうにも、後ろへ引く余地がなく、古いデジカメでは全体が収まらない事もあった。
路面電車が利用されていて、街なかに自動車の乗り入れが少なく、渋滞は全く見られず静かな感じがした。
それぞれ、一時代を画した歴史があるようだ。
昔の日本や、ベトナムのバイク集団、中国の大気汚染の事を考えると、生物の密度の高いアジアのエネルギーとは違う、歴史と文化に誇りを持った静かな持続力のエネルギーを感じる。

お食事もおいしく、ワインも美味しく、デザートも美味しく、さすが農業国!だった。

ナンシーの路面電車

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コルマールの乗り合いバス

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ストラスブールの路面電車

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・宗教について
大都市の大聖堂ではなく、サン・ディエからコルマールへの山間の道でも、村々で一番大きな建物は教会だった。
今でも熱心なカソリック教徒が多いのかは分からないが、日本でいえば津々浦々、こちらでは村々まで、この2000年間、キリスト教がしっかり人の気持ちを掴んでいたようだ。暮らすに必要である以上の余剰の富の生産があれば、建築・絵画・彫刻・・・の形で、教会に捧げられてきたようだ。それらが残っている。
もちろん、権力とタイアップでの相乗効果もあろうが、人の心を掴むその魅力って一体何なのだろう?
ほとんど無宗教(実家は真言宗で婚家は神道)の日本のオバサンは、不思議に思うのだ。

ユニークな真理を目指して、Rationalismが生まれScienceが育ったのだが・・・
日本や中国では算術・測量術にしか過ぎないのに、ScienceではMathematicsのLogicだったり、Geometoryだったりになるのだ。

25年以上も前、夫の赴任先のJordanに滞在したことがあり、その時にAjlun城へ行った。ヨルダン川の東側にあり十字軍の最前線だったようだ。高い丘の上に城があり、平時には城のふもとの周りで農耕していたであろう。ブドウ畑もあったような記憶がする。
フランスのこの辺りの青少年たちも、笛の音に誘われて?家族と水盃でクルセーダとしてあの中東へ赴いたのかと思った。

そしてストラスブールでのグーテンベルクや世界最初のプロテスタント教会など、宗教改革の頃もさぞかし思想の最先端を行っていた街であった事を偲ばせる諸々に接し、眠かった世界史の授業でも耳に残るほどのすごい町なのだと思った。それに刺激されたイエズス会は、missionとして極東の日本にまで宣教師を遣わしたと習った。

中東の同じ地域から起こった同じ一神教であるキリスト教とイスラム教の確執が今の世界のリスクの一つなのだが。
一神教は現世利益だから強いのか?等々・・・ブツブツ


・仏独の間で
この辺りは、フランスとドイツが取り合ってきた地域、「最後の授業」byドーテのお話の舞台になっている。
ボージェ山脈の山麓ワイン街道から東方のライン川の向こうの黒い森を見渡すと、ドイツがどのようにして侵攻して来て展開し、街を一つ一つ落として行ったのかと思われる。陸軍がタンクで来て、最後は歩兵が1軒1軒つぶして行ったのか?織田信長の頃の戦とあまり変わりないのかもしれないなどと。
駅の表示も、フランス語・英語・ドイツ語表記となっていた。
現在はEUとなったが、フランスはフランス、ベルギーはベルギー、スイスはスイス、ドイツはドイツなのだ。

などなど、とりとめのない事が頭をかすめて行った。

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仲間に入れて頂いたお茶の一行も、皆さん明るく楽しい方ばかりの素晴らしい女性達で、学ぶ事の多い旅だった。
家族の協力のもと、この旅が許された事に、心からの感謝をしたい。
長々とお付き合い頂いた旅も本編はこれでおしまいとする。

次は、ミーハー的な旅のおまけを・・・

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こぎん

ヨーロッパの路面電車って、車輪が見えないので、スマートですね。
それに、乗り合いバスもクラシックな形で、おしゃれですね。
いいな、行きたいのはやはり、ヨーロッパ。
あ~、ロシアもいいな~。


by こぎん (2008-10-26 20:58) 

ハッシュ!

こんにちは。
私が訪れたのはTGV開通前だったので、駅は旧いままでした。(残念)
歴史的建築物に最先端の現代建築を融合させる手法は、やはりヨーロッパが抜きん出てますね。
賛否両論ありきでも実現してしまうのは、芸術に対するフトコロの違いでしょうか。
by ハッシュ! (2008-10-31 10:15) 

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