お雛様

お雛様を出して飾った。といっても、娘の7段飾りは長らく物置に入れっぱなしで日の目をみず、代わりに私の母の作った1対のお雛様を何年も飾っている。
犬を飼うようになって、悪戯するので棚の上にちょんと置けるものになった。
母は、糸と布で遊ぶ人で、子供の頃は、セーターも洋服も手作りを着せてもらった。
子供達が巣立った後は、自分の着る物とお人形とパッチワークと、そして孫達の為に流行の物を作ってくれる。(作ってみたいのだ)
浴衣は１晩で、袷もお布団も縫い、学生時代には課題で染織もしたそうな・・・
お雛様の着物はちりめんの古い端布で、誰かの何かだったものの様だ。
赤いスカーフを敷いて、仲良く並べて座らせた。
パッチワークの作品を沢山もらってあるが、使ってあるその端布が祖母達が着ていた見覚えのある着物、それも染め直したようなのだったり、祖父達の羽裏だったりと懐かしい。
本来パッチワークとはそういう物なのだと思う。
それにしても、つくづく着物は色といい柄といい、美しくいいものですね。大好き！
そして、子供の頃、お雛様の段の下にもぐり込み、雛あられでおままごとをして遊んだものでした。
春が近づいて、お座敷に明るい陽が入り、屋根の雪がツララと共にドサッと庭に落ちてくる頃、日暮れ時がほの明るいままで、何故か子供心にトキメくと言うか、ちょっぴりおセンチになったりしていました。50年も前の遠い昔の事でした。
そして今、お雛様に夫婦が仲良く円満でありますようにと祈ります。
これこそが社会の単位の基なのですから。