私のヨーロッパ [本]
塩野七生著「海の都の物語」を読了。
4月下旬から3か月がかりで、やっとの思いだった。
4/22に図書館で借りて、最初のページを見て「思った通りの事が書いてある!」と嬉しかった。
強い勢力に押し出されるようにしてラグーナへ渡った人達が、何もない所から、知恵と才覚だけで、海に乗り出し通商の道を開き、尊敬される国を長い間保っていた歴史の物語だ。
上巻は、実家に泊まりながら、何とか図書館の期限で読んだが、下巻は何と2か月もかかった。
40年も昔の学生の頃、「花椿」という資生堂の広報リーフレットがあった。
そこに塩野七生さんという若い女性の、イタリアの連載があった。
自分といくつも歳が違わないのに、この人は既にイタリアのプロフェッショナル、一体どんな勉強をしたらこんな風になれるのだろうと思った事を思い出す。
同時期、「ミセス」という雑誌に犬養道子さんが「私のヨーロッパ」を連載していた。
こちらにも、深く興味を持った。
日本でも中国でも「算術・測量術」と職人の技術でしかなかった数学が、ヨーロッパではScienceが確立し、このモノの考え方、推論の共通言語として存在していた事をどうしても残念というか少し悔しい想いでいた学生の自分があった。
Rationalismを知った。
高校で習ったベーコン・ロックから・・・大陸へ進み百科全書派・・・自己の確立・・・
興味深かった産業革命・・・ほとんど忘れてしまったが
その上で、では、内なる日本的なものとは一体何?
一神教、uniqueな真理の存在との関係は?
私にとっては、英語を学ぶ事と茶道を学ぶ事は同じラインの上につながっていた。
言葉を使って人は考える。言葉を学ぶ事は、考え方を学ぶ事。
型を真似、身体で覚えた時には、その心が分かっている。
その後、犬養道子さんの著作は少し読んだ。
人と場所(地理)の関係や個人主義的生き方などを知った。
特に「人間の大地」は、2人目のお産の後、初めて読んだ本で、印象が強い。
それらの本にずいぶん影響を受けて、その後の人生をやってきた様に思う。
塩野七生さんは、「コンスタンチノープルの陥落」を面白く読み、イスタンブールに行ってみたいとずっと思い続けている。歴史を記述するとはこういう事かと思った。
しかし、文芸春秋の「日本人へ」だけで、その他の著作には、手が出なかった。
だんだん彼女も、犬養さんの風貌になって来た。
そして、友人に連れて行ってもらったベネチア旅行の帰りの機内で、都市国家としての独立と自由を守る富の蓄積を目の当たりにしてやはり読もう!と4/22の発言へとつながる。
しばらく休んだら、次はフィレンツェの話、ミラノの話、・・・楽しみだ。
地理だけでなく歴史も面白くなってきた。
ミラノでは、ローマの遺跡がルネッサンス以降の建築の中に混在していた。
街のスケール、道路の幅とトラムなどの交通機関、建物は道路に面し中庭があり、部屋毎にインテリアデザイナーが必要な職業になる訳だ。
そして何より、夫から学ぶ事が多かった。
今回の旅行の総括として、このように私のヨーロッパは造られてきたように思う。
4月下旬から3か月がかりで、やっとの思いだった。
4/22に図書館で借りて、最初のページを見て「思った通りの事が書いてある!」と嬉しかった。
強い勢力に押し出されるようにしてラグーナへ渡った人達が、何もない所から、知恵と才覚だけで、海に乗り出し通商の道を開き、尊敬される国を長い間保っていた歴史の物語だ。
上巻は、実家に泊まりながら、何とか図書館の期限で読んだが、下巻は何と2か月もかかった。
40年も昔の学生の頃、「花椿」という資生堂の広報リーフレットがあった。
そこに塩野七生さんという若い女性の、イタリアの連載があった。
自分といくつも歳が違わないのに、この人は既にイタリアのプロフェッショナル、一体どんな勉強をしたらこんな風になれるのだろうと思った事を思い出す。
同時期、「ミセス」という雑誌に犬養道子さんが「私のヨーロッパ」を連載していた。
こちらにも、深く興味を持った。
日本でも中国でも「算術・測量術」と職人の技術でしかなかった数学が、ヨーロッパではScienceが確立し、このモノの考え方、推論の共通言語として存在していた事をどうしても残念というか少し悔しい想いでいた学生の自分があった。
Rationalismを知った。
高校で習ったベーコン・ロックから・・・大陸へ進み百科全書派・・・自己の確立・・・
興味深かった産業革命・・・ほとんど忘れてしまったが
その上で、では、内なる日本的なものとは一体何?
一神教、uniqueな真理の存在との関係は?
私にとっては、英語を学ぶ事と茶道を学ぶ事は同じラインの上につながっていた。
言葉を使って人は考える。言葉を学ぶ事は、考え方を学ぶ事。
型を真似、身体で覚えた時には、その心が分かっている。
その後、犬養道子さんの著作は少し読んだ。
人と場所(地理)の関係や個人主義的生き方などを知った。
特に「人間の大地」は、2人目のお産の後、初めて読んだ本で、印象が強い。
それらの本にずいぶん影響を受けて、その後の人生をやってきた様に思う。
塩野七生さんは、「コンスタンチノープルの陥落」を面白く読み、イスタンブールに行ってみたいとずっと思い続けている。歴史を記述するとはこういう事かと思った。
しかし、文芸春秋の「日本人へ」だけで、その他の著作には、手が出なかった。
だんだん彼女も、犬養さんの風貌になって来た。
そして、友人に連れて行ってもらったベネチア旅行の帰りの機内で、都市国家としての独立と自由を守る富の蓄積を目の当たりにしてやはり読もう!と4/22の発言へとつながる。
しばらく休んだら、次はフィレンツェの話、ミラノの話、・・・楽しみだ。
地理だけでなく歴史も面白くなってきた。
ミラノでは、ローマの遺跡がルネッサンス以降の建築の中に混在していた。
街のスケール、道路の幅とトラムなどの交通機関、建物は道路に面し中庭があり、部屋毎にインテリアデザイナーが必要な職業になる訳だ。
そして何より、夫から学ぶ事が多かった。
今回の旅行の総括として、このように私のヨーロッパは造られてきたように思う。
2010-07-26 21:17
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コメント(4)
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毎日、猛暑でヘトヘトになってしまいます。
今年の夏は、特別に暑いように感じます。
塩野七生氏の本は、両親が好きで、実家にいっぱい揃っていたのです。
私も、借りて読もうと想っているうちに、荷物の整理にまぎれてどこにあるか分からなくなっています。
by ほんのり (2010-07-27 14:25)
今日は!
>言葉を使って人は考える。言葉を学ぶ事は、考え方を学ぶ事。
型を真似、身体で覚えた時には、その心が分かっている。
おっしゃる通りですね。
現代日本の若者、海外に留学や協力隊のチャンスがいっぱいあるのに行こうとしない。
御主人さまはパイオニアだったんですね。
青年よ荒野を目ざせ!!
by ハゲアメリカーノ (2010-07-27 17:28)
「花椿」・・・懐かしいです。母が使っていたので、子どもながら、穴が開くほど見ていました。
おそらく、あの頃はヨーロッパもですが、世界中、とっても遠い異国。
よっぽどの方でないと海外などへは行けなかった。
「兼高かおるの世界の旅」を見ながら、思いを馳せていました。
大人になってもと~~いヨーローッパです。
by こぎん (2010-07-30 09:08)
こうちゃんさま>
nice!ありがとうございます。
xml_xslさま>
nice!ありがとうございます。
ほんのりさま>
塩野七生さんの著作はいずれも大部で、私には読み通すのがなかなか大変です。
暑い日が続きます。雨が降って少し楽な数日ですが、くれぐれもお大事に!
台風が来る頃まで、酷暑を覚悟しなくては。
ハッシュ!さま>
nice!ありがとうございます。
アメリカーノさま>
青年よ荒野を目ざせ!! 懐かしい響きです。
若いつもりでも、荒野を目指すと遭難の危険のある年齢になりました。トホホ!
カラコンさま>
nice!ありがとうございます。
dorobouhigeさま>
nice!ありがとうございます。(1000nice!でした)
contaさま>
nice!ありがとうございます。
こぎんさま>
「花椿」だけでなく雑誌もグラビアではなく活字に目が行っていたような気がします。
兼高かおるさんの番組、私も大好きで見ていました。
パンナムもJALも今は昔。
by selybar (2010-07-31 17:02)